アメリカでは、3歳からプレゼンを始めるって本当?
2017.3.18
「プレゼンが大の苦手…」という人、多いですよね。
そんな中、アメリカ人は一般的にプレゼンがうまいといわれています。
それは国民性なのでしょうか?
それとも生まれ持った才能なのでしょうか?
答えはどちらもNO!
統計によるとアメリカ人にとって最も恐ろしいものは、“死ぬことよりも人前で話す”こと。積極的で話し好きといわれるアメリカ人ですら、プレゼンは大の苦手なのです。
では、なぜアメリカ人は世間から“プレゼン上手”という評価を受けているのでしょう?
“プレゼン上手”の秘密は「Show and Tell」”
実はアメリカでは3歳くらいから、プレゼンの基礎となる「Show and Tell(ショウ・アンド・テル)」というトレーニングを始めます。アメリカの幼稚園や小学校では、どこでもごく当たり前のように取り入れられている教育です。
内容は、スピーカーである生徒が、聞き手(先生やクラスメート)に向けて、自分の紹介したいもの(趣味、おもちゃ、作品など)を見せ(Show)、自分の言葉で説明(Tell)するというもの。
“これは何か”、“なぜ紹介したいのか”、“どこが好きなのか”など、自分のアイデアを分かりやすく、自信を持って相手に伝えていくというトレーニングを重ねることで、「自分のアイデアを生むスキル」、「分かりやすい説明で伝えるスキル」などを自然に習得することができます。
また、「人前で話すスキル」についても学べます。スピーカーは家族もしくは鏡の前で、表情、声のトーン、アイコンタクト、ジェスチャー、立ち居振る舞いなどを客観的に研究し、リハーサルを繰り返しながらイメージトレーニングをします。そうして人前で話すことに必要なパフォーマンスや自己コントロール法を身につけていくのです。実際にアメリカ人はプレゼンをする場合、手元の資料を見なくても話すことができるまで徹底的にシミュレーションをします。とにかく本番のイメージを脳や体に叩き込むこと、それが本番で自己の緊張を上手くコントロールする秘訣なのだそうです。
そして、スピーカーがひと通り話した後には質問タイムがあります。そこでは、聞き手側は「相手に質問をするスキル」、スピーカー側は「明確に質問に答えるスキル」を学びます。
この相互作用によって、子どもたちはコミュニケーションスキルの基盤を構築していくのです。
英語力よりも「コミュニケーションスキル」と「プレゼンテーションスキル」
さまざまな民族、文化、宗教が混ざり合い、独立国家になったアメリカでは、“いかに分かりやすく、他人に伝えるか”ということが重要視されています。そのため英語力はもちろん、それ以上に求められるのが“ロジカルで明確なコミュニケーションスキル”や、“説得力のあるプレゼンテーションスキル”です。アメリカではこういった能力こそが、社会人として必要不可欠なものとされるため、幼少期から身につけるべきだと考えられています。
文部科学省は “グローバル人材に必要な能力”として「異なる価値観や体験を共有していない相手とうまくコミュニケーションできる力」を掲げています。自分のアイデアを分かりやすく、自信を持って相手に伝えていく「Show and Tell」は、日本の子どもたちの発信力をインタラクティブに育む新たな指導法といえるかもしれません。
プレゼン恐怖症という方は、まず“自分のアイデアを分かりやすく、自信を持って相手に伝えていく”ことから始めてみるといいかもしれません。
活字だらけの多量の資料を配るよりも、絶対うまくいくはずです。
もちろん、鏡の前の入念なリハーサルもお忘れなく!
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