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「グローバル・パブリシティ」のヒント

海外の人たちの心をわしづかみできるご当地キャラが、今後のインバウンドを左右する!

2016.12.02
海をわたり、活躍するご当地キャラクターたちがいるのをご存じですか? 2016年7月にサンフランシスコで行われた日本のポップカルチャーイベント「J-POP Summit」には、5組のご当地キャラクターたちが参加。
長崎県佐世保市から来たアイドル3人組「Paper Bag Fairies」。北海道の応援キャラクター「コアックマ&アックマ」。北海道小樽市をPRする非公認キャラクターでゾンビのクマ「ゾンベアー」。浅草出身で殺陣が得意な「あさく侍」。そして、茨城県から来たゴスロリ系ご当地キャラ「梅薔薇ひばり」。
どのキャラクターも独自のパフォーマンスで会場を沸かせ、来場者との記念撮影ではひっぱりだこ。「グローバル・パブリシスト」として大活躍していました。そんな彼らを”Go-Torch”と名付けてプロデュースしたのは、桜井薫さん。海外の人たちにウケるキャラクターの選び方や海外での反応などを聞きました。
・今年のご当地キャラクターに対して、来場者の反応はどうでしたか?
アメリカ人たちは、出身地や背景の分からないキャラクターでもその見た目とかわいらしさに、とても素直に反応してくれます。会場では小樽のご当地キャラ「ゾンベアー」とのじゃんけん大会も楽しんでいました。海外でも「ゾンビ」自体が人気ですからね。

浅草の「あさく侍」は普段コミカルな動きをするのですが、今回はアメリカ人に受け入れてもらいやすいように、とにかくクールに振る舞って、殺陣などの技を見せました。その結果、非常にたくさんの人たちから声援をもらいました。最後、正座でのお辞儀も気に入ってもらえたみたいです。アメリカ人は刀を抜くなどの“侍らしいしぐさ”が大好きです。
・2年連続で出演しているキャラクターもいますよね?
佐世保の「Paper Bag Fairies」がそうです。来場者からのリクエストが殺到して、去年に続き今年も招待されました。彼女たちは、言葉を発しないのが強みで、それを生かしたパフォーマンスとコミカルでかわいらしい動きは子供も大人もとりこにし、人気の秘密だと思います。
・去年とくらべて来場者の反応は変わりましたか?
去年の初日は、「Paper Bag Fairies」を見ても「あれは何?」という反応でしたけど、彼らのパフォーマンスを見て、2日目からはオーディエンスが増えました。去年見てくれた人たちのために、今年はオタ芸をやりました。
日本で人気があるご当地キャラはキャラクターをフックにその地域を知ってもらうべく海外に発信することこそ、クールジャパンの活動には不可欠で、それを進化させることが大切なのだと思います。去年は帰国後にキャラクターのSNSのフォロワーが増えるという効果もあったんですよ。
・どんな基準で出演するキャラクターを選ぶのですか?
海外の人たちが好きそうな特徴を持ったキャラクターを選ぶようにしています。例えば茨城県の「梅薔薇ひばり」は、海外でも人気があるゴスロリの衣装で、しかも秋葉原のメイドカフェ好きという、日本のアニメやオタク文化の好きにわかりやすい要素も持ち合わせています。「Paper Bag Fairies」はオタ芸、「ゾンベアー」はゾンビというテーマを取り入れています。「コアックマ&アックマ」は、キャラクターでいながらプロの演奏をして、観客を沸かせるのが得意です。あさく侍の売りは殺陣ですが、伝統的な日本の曲で見せるよりも、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)のような早いビートに合わせたほうが海外の若い人に受け入れられます。

言葉を発しなくても楽しめるパフォーマンス。「わかりやすさ」が大切です。

北海道出身の「コアックマ&アックマ」は、海外での取材に対して、筆談ですが英語で対応できるんですよ。
・今後、どのようにご当地キャラたちと日本をPRしていきたいですか?
イベントからのリクエストによりますが、「ゾンベアー」は動画に出たり、キャラクターグッズの販売に力を入れたりするともっと人気が出そうですね。「Paper bag fairies」は、ゲームやアニメになるとさらに人気が上がるかと。「梅薔薇ひばり」は、オタクカルチャーを広めるだけではなく、日本でも活動している同人誌のPRにも力を入れるといいですね。「あさく侍」は、殺陣のパフォーマンスを生かしてエグゼクティブのショーなどに出ると面白いかも。コアックマ&アックマは、日本酒を紹介する小冊子を今回英語で出していましたが、今後は美味しい物産に恵まれている北海道を紹介するムービーコミックに登場するのも一つの手です。

日本をテーマにしたイベントは世界で450件ほどあるそうで、そのうち収益をあげているのは半分以下と聞きました。これからも彼らたちと一緒にいろいろなイベントで日本をPRして、盛り上げていきたいですね。
ゾンベアー
http://www.yurugp.jp/vote/detail.php?id=00001626

あさく侍
http://nanaichizero.com/character/%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%8F%E4%BE%8D/

梅薔薇ひばり
http://ameblo.jp/umebara-hibari/entry-12119565181.html

コアックマ&アックマ
http://koakkuma.jp/

Paper bag fairies
https://www.facebook.com/sanasenabona/
桜井薫
1972年生まれ。共立女子大学国際学部卒業。東京都渋谷区出身。大学卒業後、番組制作会社のADを経て株式会社ペイ・パー・ビュー・ジャパン(現・株式会社スカパーブロードキャスティング)へ入社。同社でハリウッド映画、スポーツ、格闘技、アニメのチャンネルを担当。その後、さまざまな企業の宣伝・マーケティング・広報を経て、2012年に起業。2014年に株式会社NePt Japan (ネプトジャパン)を立ち上げる。日本の企業の人事コンサルタント、麗澤大学のPRとブランド戦略、海外企業の日本進出、海外イベントプロデュースを務める傍ら、ボランティアで小学生を対象に英会話イベントを開く。著書に『一語英会話』

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