グローバルコミュニケーション、 ワースト1は“英語しか話せないネイティブスピーカー”?!
2017.2.14
昨年のBBCウェブサイトに驚きの記事が掲載されました。
「外国人同士のグローバル・コミュニケーションが最も下手なのは"英語しか話せないネイティブスピーカー”だった!」
英語ネイティブスピーカーと非ネイティブスピーカーが集まるグローバル・コミュニケーションの場では、英語ネイティブスピーカーは孤立しがちである、という衝撃の事実です。
一体なぜなのでしょうか?
ヒントはここにあります。
「英語が母国語でない非ネイティブスピーカーは、
"ゆっくり"、"慎重に"、"目的を持って"、"常用単語と"、"シンプルな表現で"
相手に理解してもらうように話し、
"丁寧に"、"意図を汲んで"、"集中して"、"歩み寄りながら"
相手を理解しようと聞いている。
ゆえに輪の中で打ち解ける。」
たったこれだけのことなんです。
そこで注目されているのが「グロービッシュ(Globish)」。
グロービッシュとは、グローバル・イングリッシュの略で、“伝える方法をよりシンプルにした英語”のことです。
提唱したのは、ジャン=ポール・ネリエール。
IBM社の国際マーケティング上級管理者であったネリエールは、世界各国でさまざまな国の人々と仕事をともにする機会がありました。
フランス人の彼は、もちろん非ネイティブスピーカーのひとり。
そこで彼が気付いたことは、ネイティブスピーカーと話すよりも、非ネイティブスピーカーと話す方が、ずっとスムーズに意思疎通が出来るということ、また非ネイティブスピーカーと上手くコミュニケーションが取れないネイティブスピーカーは、実際ビジネス上でも損をしていることが多いということでした。
――なぜ非ネイティブスピーカーはグローバル・コミュニケーションが上手いのか?――
その経験をもとに執筆した『Don't Speak English, Parlez Globish (2004年)』をはじめとする数々の著書の中で、ネリエールはグロービッシュという構想を次々と確立していきました。グロービッシュのテキストブックは、世界18ヶ国語で翻訳され、その売上げは20万部以上にものぼっています。
グロービッシュの基本理念は、“言葉でなく伝えるためのツール”ということ。
テクニックとしては、「使用する単語は1500語」、「シンプルで標準的な文法」、「15語以内の短いセンテンス」、「発音よりもアクセントを明確に」などが挙げられます。
たとえば、「これらは彼女が自分の家を建てるのに使った道具だ」という日本語を英語にする場合、一般的には“These are the tools with which she built her own house.”と原文通り一文で言おうとしますが、グロービッシュでは“These are the tools. She built her own house with them.”と表現します。
これなら簡単にコミュニケーション出来そうですね。
英語がネイティブスピーカーだけの言葉だという時代は終わりました。
今や英語は、多様に変化を遂げながら、世界中の人々のための言葉になりつつあるのです。
ネリエールは、グロービッシュの名前の由来についてこのように語っています。
――もし名前のどこかに”英語”とついていれば、英語のネイティブは、「よし、我々の勝ちだ。君たちは英語を上手に話すようになることだね」と言いかねない。「グロービッシュ」という名前によって、それが特別な英語であり、もはや「彼らの」英語でないことがわかる。 (ジャン=ポール・ネリエール「世界のグロービッシュ」)――
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