【セミナーレポート】海外への情報発信を成功させるために必要な考え方とは?
2019.4.17
フォーリン・プレスセンター(
https://fpcj.jp/)は日本の情報を海外メディアに発信する公益財団法人です。
フォーリン・プレスセンターで今春開催されたのが、英国誌エディターを講師に迎えた賛助会員限定のセミナー「海外にアピールするための情報発信のコツ ~どこまで相手の目線に立てるかが勝負を決める~」です。海外への情報発信を成功させるためには、どのような考え方が必要なのか? 英ライフスタイル誌「Wallpaper*」のエディターとしてデザイン、建築、職人の技術を中心に日本の文化を紹介する傍ら、自治体のインバウンドプロモーションも手がけるイェンス・イェンセン氏の講演を、キーワードとともにレポートします。
大切なのは受け手の文化を知った上での発信“バイカルチュアル”。例えば、自治体はパンフレットを多く作るが、ほとんどが日本語のものを、そのまま英語にしていると講師は語ります。「“編集”は翻訳よりも大切。レイアウトもそのままで、外国人が分からないような歴史的な記述も、噛み砕かれて伝えられていない。それでは、外国人には伝わりません」。
講師が次に語ったのが、広報・PRする上でのストーリーの大切さ。“自分の地域や商品の何がユニークなのか?”を追求することは広報やPRの基本、とした上で「日本の自治体は皆、酒蔵や温泉、果物狩りができると伝えています。面白いかもしれないが、差別化ができているとは言いづらいです。自分の地域の目玉は何か? 外国人の“目”を借りて、徹底的に考えて、絞って発信することが大切です」と語りました。
日本の新聞の組み方は、外国人にはとても読みづらいそう。「同じようなデザインテイストで発信しても伝わらないのは、プレスリリース・広告のデザインにも同じことがいえるでしょう。情報を発信するときは、翻訳・編集された言葉が大切で、デザインも重要です」。
海外に向けて何かを発信する際はターゲットを絞ることが大切。「地域、年齢、性別、家族構成、収入層――一概に「海外」でくくらず、どういう人にメッセージを発信したいのか思い切って決めておきましょう。また、日本のモノ・コトを海外にPRする際は、それが受け入れられやすい国と、受け入れられにくい国があります。自分たちの発信したいものが、その国で人気が出そうなのか、あらかじめリサーチしておくのも手です」。
セミナー後半には、参加した自治体や企業の海外向けPR担当者のQ&Aセッションを。各々の立場だからこそ生まれる疑問や壁に丁寧に答えていきました。
GCAIでは今後も、海外に向けた発信やPRの最新の知識とスキルを追っていきます。