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ウディ・アレンの映画に登場するダイアログは強力なプレゼンだった!?

2016.7.14
米アカデミー賞・最多ノミネートの映画監督。そう、ウディ・アレンは、人間ドラマの巨匠であり、派手なアクションではなく、キャラクター描写とダイアログ(対話)で映画ファンを魅了してきました。登場人物らは生き生きと自分の想いを相手に伝え、それを観ている私たちも共感し、次の展開が待ち遠しくなります。

さて、ここで注目したいのはそんな登場人物らのプレゼン能力です。え? 劇中でプレゼンのシーンが? いえいえ、自分の想いやメッセージをしっかりと伝えて、胸に響かせる行為こそが「プレゼンテーション」なのです。そして、効果的なプレゼンには必ずと言っていいほど「冒頭のつかみ(Attention grabber)」と「最後のオチ(High impact closer)」があるものです。ウディ・アレンが脚本・監督を務め、第84回アカデミー賞で脚本賞を受賞したコメディ映画『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)を例に見てみましょう。

作品あらすじ
主人公・ギル(オーウェン・ウィルソン)は小説家への転身を模索している売れっ子脚本家。数々の文化人が暮らしたパリに強烈な憧れを抱く彼は、婚約者の父親の旅行に便乗して同地を訪れる。あることをきっかけに、ひとり真夜中のパリをさまようことになったギルは、やがて1920年代のパリにタイムスリップしてしまい…。

劇中では、ギルが魅力的なフランス娘・アドリアナ(マリオン・コティヤール)と夜の街を散歩しながら、パリの素晴らしさを語り、彼女との距離をグッと縮めるシーンがあります。そこでの語りがこちら:

(ギル、アドリアナのとなりを歩きながら)
①時々思うんだ。この街の美をしのげるような小説や絵画や、交響曲や彫刻を人は生み出せるんだろうか、ってね
②無理だ。だってこの街は、どの路地も大通りも芸術品だから
③考えてもみてよ。こんなに冷たく無意味な宇宙の中に、このパリの灯りが存在するなんて
④木星や海王星は、ただ浮かんでいるだけの何もない惑星だ
⑤でもこの街の光は、カフェは、飲んだり歌ったりしてる人々は、宇宙からでも見えるんだよ
⑥僕たちの知る限り、パリは宇宙一、ホットな場所だ

〈原文〉
(1) You know, I sometimes think, “How’s anyone gonna come up with a book, or a painting, or a symphony or a sculpture that can compete with a great city?”
(2) You can’t, ’cause, like, you look around, every… every street, every boulevard is its own special art form.
(3) And when you think that in the cold, violent, meaningless universe, that Paris exists, these lights…
(4) I mean, come on, there’s nothing happening on Jupiter or Neptune,
(5) but from way out in space you can see these lights, the cafes, people drinking, and singing…
(6) I mean, for all we know, Paris is the hottest spot in the universe.

「(アドリアナが暮らす)パリの街を自分がどれだけ愛しているか」を語る、ほんの数分間のプレゼンテーションで、彼女のギルに対するまなざしは、より一層信頼に満ちたものになります。ギルのセリフを注意深く見ると、「冒頭のつかみ(Attention grabber)」と「最後のオチ(High impact closer)」がしっかりとあることにお気づきでしょうか? この場合、①のセンテンスが“冒頭のつかみ”であり、⑥のセンテンスが“最後のオチ”となります。

「冒頭のつかみ(Attention grabber)」はプレゼンテーションを行うにあたってとても重要な要素です。①では「パリの美しさを超えるものを人は生み出せるのか?」という疑問を相手と共有することで、話し手と聴き手のつながりを構築しています。その後、具体的な内容を語った上で、⑥の「パリは宇宙一、ホットな場所だ」という力強い言葉で締めくくっています。ギルの“成功”には、しっかりと理由があったことが分かります。

実は、この方法論はGCAI〈ジーカイ〉で誰もが習得できる「6センテンス・メソッド」というプレゼンメソッドに則ったもの。「5段階論文構成(Five paragraph essay structure)」をベースにGCAI〈ジーカイ〉が作り上げたこのメソッドを駆使すれば、短い時間で聴き手に分かりやすく、印象深く伝えることができます。

同シーンの後、ギルとアドリアナの仲はさらに進展するのですが…? 結末は本編を観て確かめてみてくださいね。

ギルのように、英語で「想いやメッセージを伝える」ための学びがそろっているGCAI〈ジーカイ〉では9月22日(木曜日クラス)/9月24日(土曜日クラス)に「グローバル情報発信スタートアップ講座」を開講します。講座ではまず「6センテンス・メソッド」を学んだ上で、“話す”、“書く”、“プレゼンする”、“動画を作る“4種のコミュニケーションスキルを総合的に学習。相手が違う国の生まれでも、さまざまな手段でボーダレスに想いを届けられるようになることを目指します。

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